肝臓がんの知識ガイド

肝臓がんの特徴

肝臓は、胆のうや膵臓とともに、食べた物を消化したり、吸収したりする消化器の1つです。 肝臓は、へその上の上腹部にある胃の近くに位置しています。 成人では、肝臓の重さは1kg以上になる人もいます。 体の中にある臓器の中で一番大きな臓器が、肝臓です。 肝臓の主な働きは、「体内に栄養を摂りやすいように食べた物の形を変える」「体に有害なアルコールなどの物質を分解する」「胆汁の合成」などです。 そして、肝臓は、手術などで一部切除してしまっても、再生する力があります。 さらには、70%ほど細胞がダメージを受けたとしても、残りの30%で本来の働きができるような予備の力もあります。 また、肝臓はいろいろな障害を受けていたとしても自覚症状が現れづらい「沈黙の臓器」とも呼ばれています。 肝臓で起こるがんには、原因がよくわかる「原発性肝がん」や他臓器から転移の「転移性肝がん」があります。 肝がんにかかってもほとんど症状が現れないため、がんの中でも気づきにくいがんだとされています。 ...

原発性肝がんとは

原発性肝がんには、「肝細胞がん」「肝内胆管がん」があります。 その中でもおよそ90%が肝細胞がんです。 この肝細胞がんになる原因の多くは、肝炎ウイルスに感染したことによるもので、およそ70%がC型肝炎ウイルス、そして20%がB型肝炎ウイルスの感染によるものだとわかっています。 しかし、肝炎ウイルスに感染したからといって、必ずしもがんになるということではありません。 肝臓がんが起こるまでには20年から30年以上かかることもあります。 そして、B型肝炎ウイルスの感染による場合は、急性肝炎で治る場合が多いです。 しかし、慢性肝炎になってしまうと、C型肝炎と同様に症状が移行していくこともあります。 ですから、まずは肝炎ウイルスに感染しているかどうか検査することをおすすめします。 C型肝炎ウイルスは、血液を介して感染するものです。 B型肝炎ウイルスは、母子感染によるものが以前は多かったのですが、最近は性交渉による感染が増加傾向にあります。 ...

肝機能の検査

肝臓がんが起こる原因ともされる肝炎ウイルスへの感染がどうか検査する方法は、次のようなものです。 ●肝機能検査 採血を行い、血液検査をします。 その血液検査で「GOT」「GPT」などの酵素の量を調べます。 ●肝炎ウイルス検査 採血を行い、血液検査をします。 その血液検査によって肝炎ウイルスの抗体を調べます。 感染がわかったときは、肝臓がんになる可能性があるため、治療することが大切です。 そして、定期検査も併せて行っていきます。 ●超音波検査 この検査では、直径1cmから2cmほどの肝がんまでも発見することができます。 ●腫瘍マーカー 原発性肝がんの腫瘍マーカ―の「AFP」「PIVKA?2」というマーカー2種類を調べる検査をします。 これらの検査によって肝がんの疑いがあるとなったときは、ダイナミックCTやダイナミックMRIなどの検査がさらに、行われます。 この検査によって超音波検査では死角になっている部分さえも発見することができます。 ...

転移性肝がんとは

原発性肝がんと比べると、転移性肝がんにかかっている患者さんは多いようです。 肝臓は、体のあちこちをめぐった血液が通る部分でもあるので、他臓器のがんが転移しやすいのだとされています。 肝臓には、肝動脈と肝静脈があり、他にも胃や腸などから栄養分を運んでくる血管「門脈」という血管もあります。 肝動脈と門脈に流れ込んでくる血液は1分間に約1リットルで、心臓から全身へ送り出されている血液の4分の1にもなるのです。 そのため、他臓器にあるがん細胞が、血液によって運ばれてくる可能性があり、転移性肝がんが起こりやすいと考えられています。 転移性肝がんは、他臓器からのがん細胞でもあるため、もともとのがんの性質を併せ持っています。 また、「形がいびつ」「数が多い」などの特徴があります。 治療については、元々のがん治療を進めていれば、転移性肝がんにも効果が期待できます。 抗がん剤の進歩によっても、今までは切除できない状態だった転移性肝がんであっても、がんを小さくしてから切除することができる場合もあります。 ...

原発性肝がんの治療1

原発性肝がんの治療については、「手術」するかしないかの2つになります。 手術では、一部だけ切除する方法と全部を切除して、他の人の臓器を移植する「肝移植」という方法があります。 手術で肝臓を直接目で見て切除できるので、確実に治療することができます。 しかし、全身麻酔で開腹によって行うため、手術を受ける側の患者さんにとっては、体への負担が大きいと思います。 入院期間も2週間から3週間ほどかかります。 肝臓を手術によって3分の2くらい切除したとしても、肝機能が正常であれば、数ヵ月もすると再生されるため心配する必要はありません。 しかし、肝臓がんの場合は、肝機能にも障害を受けていることが多いので、その障害の程度によっては、切除する範囲を減らすことが必要となります。 最小限に抑えた切除を行い、肝機能を保った状態で完治を目指します。 そのため、切除する方法として、門脈という血管に沿って8つに分けて切除する方法となっています。 この方法を「系統的切除術」といわれています。 がんは、門脈に沿って転移するため、その門脈によって8つに分けて切除することで、肝臓内の転移を抑えられます。 肝臓は、大量に血液が存在しているため、手術によって肝不全や胆汁の漏れ、感染症などの合併症が起こるリスクもありますが、最近はとても少なくなっています。 ...

原発性肝がんの治療2

原発性肝がんの治療方法は、肝臓を切除する方法だけでなく他にも種類があります。 それらを次に紹介します。 ●ラジオ波熱凝固療法 この治療方法は、電磁波であるラジオ波の熱を用いて、がんを焼く方法です。 超音波画像を確認しながら、体の外からがん細胞のある場所へ針を刺していきます。 そしえ、針の先端からラジオ波を流して、がんを焼きます。 この治療方法は、2004年に健康保険適用となり、がんが小さく、数も少ない場合に検討されます。 局所麻酔で行うため、体への負担は手術に比べたら軽く、入院期間も3日から5日ほどです。 ただし、直接がんを見て治療するわけではないので、完全にがんを焼くことができたかどうかは確認できません。 そのため、再発を考えたら、手術よりも多いとされています。 ●肝動脈塞栓療法 この治療方法は、がんの数が多かったり、大きかったりして、手術ができないときに検討される治療方法です。 カテーテルを太ももの付け根から肝臓のがんのあるあたりにまで挿入していき、抗がん剤を注入します。 そして、ゼラチン粒子などの物質も注入して、がんのある近い部分の血管を塞ぎ、がんを死滅させます。 この治療方法を1回行っただけでは、治すことが難しいため、繰り返し行う必要があるのです。 この治療方法を行うことで、「腹痛」「吐き気」「発熱」「食欲不振」などの副作用を伴うことがあります。 これら副作用の症状は、2日から3日もすれば治まります。 ●抗がん剤治療 2009年5月より日本で使えるようになった「ソラフェニブ」という抗がん剤は、肝細胞がんに効果が期待できるとされています。 それまで日本では、肝細胞がんに効果のある薬はありませんでした。 このソラフェニブは、がん細胞が増えることを抑制し、がんに栄養をあたるための血管が作られないように働きます。 しかし、この抗がん剤にも副作用の症状が起こることがあります。 主に、「手足症候群」「高血圧」「下痢」などです。 手足症候群とは、手や足に発疹ができ、腫れたりすることもあります。 これらの症状は、軟膏などで改善することができます。 また、まれではありますが、間質性肺炎や急性肺障害、出血の症状が出る場合があります。 咳などの症状がみられたときは、医師に相談してください。 ...

原発性肝がんの治療法選択

治療方法には、いくつかの種類があります。 そこで、原発性肝がんの場合の治療方法を選ぶ方法として、次の3つがポイントです。 「がんの数」「がんの大きさ」「肝障害度」です。 たとえば、がんの数は1個から3個、肝障害度は軽度から中度の場合は、手術による肝切除術が検討されます。 そして、同様の条件でがんの大きさが3cm以内の場合は、ラジオ波熱凝固療法も検討されます。 また、がんの数が4個以上もしくは、3cm以上の場合は、肝動脈塞栓療法や抗がん剤による治療がすすめられるようです。 原発性肝がんの場合の治療法をどの方法にするか選ぶには、「がんの数」「がんの大きさ」「肝障害度」だけでなく、肝機能、合併症、年齢なども併せて検討して判断する必要があります。 現在は、医師だけの意見ではなく、医師からアドバイスをもらい、最適な治療方法を患者さん本人が選ぶ時代です。 治療を始める前に、セカンドオピニオンをして、専門医の話を聞いてみることもおすすめします。...

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